「ようらく」にはいろいろな特徴がありますが、採卵から養殖までを一貫して実施していることも その大きな特徴のひとつです。 そのため源流で生まれ育つ魚たちは里の川のそれとはまったく風味もひき味も違います。 単に釣りを楽しむばかりか、味を楽しめるのも「ようらく」のこだわりの結果です。
写真左は45-50cmの4歳魚のイワナです。ひれの縁が白いのが特徴です。 現在ようらくには採卵用の大型イワナが雌雄60匹ほど飼われています。 1尾あたり2000−3000粒の卵が採れます。 イワナは多年魚ですから5−6歳まで採卵が可能ですが、3−4歳のものが採卵には適しています。 ヤマメは2歳魚のため、採卵は2歳魚で実施します。 ヤマメの卵はイワナよりわずかに大きいくらいです。1尾の雌が持っている卵の数はおよそ同数です。
まず、最初に網を使用し魚を集めます。 魚に無用の刺激を与えないように静かにかつ時間をかけずに実施する必要があります。 集めた魚は選別用の箱に移し変えます。
腹部を探りながら雌雄の区別をしつつ、雌雄別々に選別用の箱に分けます。 狭い箱に入れられた魚は暴れるため迅速にその作業を終わらないと魚が傷つくことが ありますので細心の注意が必要です。
長年の経験により雌雄の区別はすぐに判別可能です。 しかし、数十匹の魚を一度に処理するので時間との戦いになります。
雌雄別に区別された魚は採卵用の池に移動します。 手前の青いネットの中に雌が入っています。 向こう側の小さい選抜箱には雄が入れられています。 雌10尾に対して雄3尾なので雄の数は雌の3分の1です。 この写真撮影時は雌33尾から採卵をしました。 しかし、採卵した卵すべてが成魚まで成長するわけではなく難しい仕事でもあります。
まず、雌から採卵をします。 平均的な雌で1尾あたり3000粒の卵を持っています。 卵の大きさは直径3−4mmの小さい卵です。 一度に10尾の雌から3万粒ほどの卵を採卵します。 作業は日中の太陽光を避けて夕方から夜に掛けて実施します。
採卵が終了したら受精作業に移りますが、雌3−4尾に対して雄1尾の割で受精をさせます。 受精後はすぐに屋内の養殖設備に移しますが「光を極端に嫌う」ため屋内の養殖設備の写真は 公開できません。 卵が孵化するまでの2−3ヶ月の間は毎日毎日卵の様子を観察しながら面倒を見続ける作業があります。 手間と根気が必要な作業が続きます。 翌年の春には4−5cmまで成長します。秋には水温にもよりますが10−15cmまで成長します。 2年目には20cmないしはそれ以上に成長します。息の長い仕事が続きます。